登山にルーペはおすすめしない?実際に使って感じた自然観察との相性と便利な持ち方

登山にルーペはおすすめしない? 登山装備

登山中にコケや地衣類、小さな花をもっと細かく見てみたい。そんな気持ちから、自然観察用に10倍のルーペを使うようになりました。

実際に使ってみると、肉眼では分からなかった細かなつくりまで見えてとても楽しいです。そして今では20倍のルーペまで欲しくなっています。

……ただし、登山に持っていく道具としておすすめできるかというと、今のところ答えは「おすすめしない」です。

ルーペそのものはとても楽しい。でも、登山との相性があまりにも悪い。

この記事では、10倍ルーペを登山や自然観察で使って感じたこと、借りた20倍ルーペとの違い、山で使うなら便利だった持ち方についてまとめます。

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ルーペで見ると、足元の世界が一気に面白くなる

ルーペを使ってみてまず感じたのは、普段何気なく見ていたものが急に面白くなることでした。

コケ、地衣類、小さな花、葉、虫。肉眼では「コケが生えている」「小さい花が咲いている」くらいにしか見えなかったものでも、ルーペを通すと細かな構造まで見えるようになります。

「これ、どうなってるんだろう?」と思ったものをその場で覗けるのがとても楽しいです。

とりあえず自然観察を始めてみたいなら、10倍でも十分に世界が変わりました。

ルーペで、知らなかった世界の扉が開いた

初めてルーペを覗いたとき、楽しいというより少し愕然としました。

今まで見えていなかった世界が、突然目の前に現れたような感覚です。

コケも地衣類も、小さな花も、肉眼では何となく眺めていたものの中に、さらに細かな世界がありました。

そんな扉があることすら知らなかったのに、開けてみたら、その先には思っていた以上に広い世界が続いていました。

もっと見てみたい。でも、どこから見ればいいのか分からない。

順路もなければ、まず何を知ればいいのかも分からない。今まで歩いてきた世界だって、まだまだ見たいものがたくさんあるのに、足元にもうひとつ巨大な世界が増えてしまったような気分でした。

とりあえず目の前にあるものを覗いてみる。今のところ、私はまだその入口で立ち止まって眺めているような状態です。

登山では時間泥棒どころか行程破壊兵器

双眼鏡を持って山を歩くと、鳥を探して立ち止まる時間が増えます。

それでも双眼鏡の場合、対象は遠くの鳥や動物、景色など。何かを見つけたときに立ち止まる、という使い方が中心です。

ルーペは違いました。

足元のほぼすべてが観察対象になります。

コケがある。

覗く。

隣にも違うコケがある。

覗く。

地衣類がある。

覗く。

小さな花がある。

また覗く。

本当に進みません。

時間泥棒というより、登山そのものが成り立たなくなる「行程破壊兵器」に近いです。

山頂を目指したり、決められた時間までに下山したりする一般的な登山とは、かなり相性が悪いと感じています。

覗くための姿勢も登山ではつらい

ルーペは、ただ目の前にかざせば見えるわけではありません。

ルーペを目に近づけ、さらに観察したいものとの距離もかなり近づける必要があります。

足元のコケなどを見る場合、しゃがむだけでは距離が足りないこともあります。

そうなると、かなり低い姿勢になったり、場合によっては這うような格好になったりします。

自然観察だけならそれも楽しいのですが、登山では背中にザックがあります。荷物を背負ったまま低い姿勢を取るのは結構つらいです。

さらに、人の多い登山道や狭い道では、長時間しゃがみ込んでいると通行の邪魔になることもあります。

この点も、ルーペを登山に積極的にはおすすめしない理由です。

ルーペを使うなら登山より自然観察の散策がおすすめ

ルーペ自体が使いにくいわけではありません。むしろ、自然観察を目的にゆっくり歩くならかなりおすすめです。

山頂に着く必要もなく、コースタイムを気にする必要もない。気になったものがあれば立ち止まり、しゃがみ込んで好きなだけ観察できます。

ルーペを持つなら、

  • 自然観察会
  • 公園や森の散策
  • コケや地衣類を目的にした観察
  • 時間に余裕のある短い散策

のような使い方のほうが向いていると感じています。登山というより、「その場所を見ること自体が目的の日」に持っていきたい道具です。

例えば、こんな場所。

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最初の1本なら10倍でも十分楽しい

現在使っているのは10倍のルーペです。10倍でも、肉眼では見えなかった細部を観察するには十分楽しめます。

特に「とりあえず身近なものをいろいろ覗いてみたい」という使い方にはちょうどいいと感じています。

虫を見るときも10倍のほうが使いやすいです。虫は動くので、高倍率になるほど対象を視野に入れ続けるのが難しくなります。

その点、10倍なら比較的追いやすく、動くものの観察にも使いやすいです。

20倍はコケや地衣類を見るとさらに楽しい

20倍のルーペも借りて使ってみました。

まだ長期間使い込んだわけではありませんが、コケや地衣類、花など、動かないものを見る分には思っていたほど使いにくさは感じませんでした。10倍よりもさらに細かな部分まで見えるので、かなり楽しいです。

今使っている10倍でも満足しているのですが、20倍を覗いたことで、「もっと細かく見たい」と思うようになりました。

一方で、虫のように動くものを見るなら10倍のほうが使いやすいと感じています。

今のところ私の中では、

  • 10倍:いろいろなものを気軽に覗く
  • 20倍:コケ・地衣類・花など、動かないものをもっと細かく見るという

使い分けになりそうです。初めての1本なら10倍でも十分楽しめますし、そこからさらに細部を見たくなったら20倍を追加するのも面白そうです。

自然観察なら手首ストラップが便利

自然観察を目的に歩くときは、ルーペにストラップを付けて手首に掛けておくのが便利でした。

最初からいろいろ覗くつもりで歩いているなら、いちいち収納する必要がありません。

気になるものを見つけたら、そのまますぐにルーペを使えます。観察中心の散策なら、シンプルな手首ストラップで十分使いやすいです。

山で使うならリールが便利だった

登山では、ずっとルーペを手に持っているわけにはいきません。

かといって、ストラップをカラビナでザックに固定すると、使うたびにカラビナから外す必要があります。

「ちょっと見たい」と思ったときに、このひと手間が意外と面倒です。

そこで便利だったのが、伸びるリールでした。

リールをザックなどに付けておけば、ルーペを外さず、そのまま引っ張って覗くことができます。使い終わったら戻すだけ。

山で使った範囲では、思っていたほどブラブラすることもなく、どこかに引っかかることもありませんでした。

ルーペそのものは登山にはあまりおすすめしませんが、それでも山に持っていくなら、リールとの組み合わせはかなり使いやすかったです。

双眼鏡とルーペでは「時間泥棒」の種類が違う

自然観察用品として、双眼鏡も山に持っていくことがあります。双眼鏡も鳥を見始めるとかなり時間を使います。

ただ、双眼鏡は遠くに鳥や動物を見つけたときなど、ある程度「イベントが発生したとき」に使う道具です。

ルーペは違います。

観察対象が足元に無限にあります。遠くを見る双眼鏡より、足元を見るルーペのほうが圧倒的に止まる回数が増えました。

さらにルーペは、しゃがんだり、対象物との距離を合わせたりする必要もあります。

同じ自然観察用品でも、双眼鏡は登山と両立しやすいルーペは観察を始めると登山そのものを中断しやすいという違いを感じています。

双眼鏡についての記事はこちら

登山に双眼鏡を持っていくと楽しい|2年使って感じた出番の多い山・持ち方・デメリット
登山に双眼鏡は必要?2年間山で使って感じた、出番の多い山や便利な持ち方、雨の日の使いにくさ、カメラとの違いを紹介。霧ヶ峰や尾瀬ヶ原、冬山での使用例や、軽量双眼鏡を持ち歩くメリット・デメリットもまとめます。

まとめ|ルーペは登山より自然観察の散策におすすめ

ルーペで自然を見るのは、とても楽しいです。

10倍でも十分細かな世界を見ることができ、さらに20倍を使うとコケや地衣類などの細部まで見えてきます。

私は10倍を使い始めて、すでに20倍も欲しくなっています。

ただし、登山用の道具としておすすめするかと聞かれたら、今の答えは「おすすめしない」です。

足元すべてが観察対象になり、立ち止まる回数が増える。低い姿勢を取る必要もあり、重いザックを背負っていると身体的にもつらい。人の多い登山道では邪魔になることもあります。

ルーペは、山頂を目指す登山よりも、時間を気にせず自然を見る散策のほうが向いています。

自然観察なら手首ストラップ、どうしても山に持っていくならリールも便利でした。登山にはおすすめしない。でも、自然観察にはかなりおすすめしたい。今のところ、そんな道具です。

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