登山に双眼鏡は必要かと聞かれると、必需品ではないと思います。
なくても困らないし、景色を見るだけなら肉眼でも十分。それでも私は、雨の日を除いてかなりの確率で双眼鏡を山に持っていっています。
鳥を見たり、遠くにいる動物を確認したり、「あそこに咲いている花はなんだろう?」と覗いたり。
双眼鏡があると、肉眼では「何かいる」「何か咲いている」で終わっていたものが、もう一歩先まで見えるようになります。
この記事では、実際に2年間山で双眼鏡を使って感じた、出番の多い山や持ち運び方、デメリットについてまとめます。
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登山に双眼鏡は必要?
結論からいうと、登山の必需品ではありません。ただ、鳥や動物、花などを観察するのが好きなら、山での楽しみを増やしてくれる道具です。
私はもともと探鳥会で使うために双眼鏡を購入しましたが、現在使っているものはほぼ登山用になっています。
探鳥用にはもう少し性能の高いものが欲しいと思っている一方で、登山では軽さも重要。
性能だけでなく、持ち歩きやすさとのバランスが大切だと感じています。
双眼鏡を持っていってよかった場所
霧ヶ峰
霧ヶ峰では鳥を見るために双眼鏡が活躍しました。
開けた草原では鳥を見つけやすく、姿を見つけてから双眼鏡で確認するという使い方がしやすいです。
肉眼では「鳥がいる」までしか分からなくても、双眼鏡を使えば種類を確認できることがあります。
広い草原や湿原は、特に双眼鏡との相性がいいと感じます。
尾瀬ヶ原
尾瀬ヶ原では、鳥だけでなく遠くの花や景色を見るのにも使っています。
「あそこに点々と咲いているのは何だろう?」
肉眼では分からない距離でも、双眼鏡で見ると花の正体が分かることがあります。
遠くの景色をただ眺めるだけでも楽しいですが、双眼鏡があるともう少し細かいところまで見ることができます。
冬の低山
冬は葉が落ちるため、鳥を見つけやすくなります。そのぶん双眼鏡の出番も増えます。
夏の樹林帯では声は聞こえても姿が見えないことが多いですが、冬は枝にとまっている鳥を見つけられることも。
鳥を観察したいなら、冬は特に双眼鏡を持っていきたくなる季節です。
樹林帯でも意外と持っていく
双眼鏡の出番が多いのは、やはり視界の開けた場所や冬。夏の樹林帯では出番は少なめです。
それでも、私は基本的には持っていきます。キビタキやオオルリに出会えることもありますし、沢沿いならミソサザイチャンス。
「今日はたぶん使わないだろうな」と思っていても、鳥の声を聞くと持ってきてよかったと思うことがあります。
また、鹿やカモシカなどの動物を遠くに見つけたときにも便利です。
肉眼では「何かいる気がする」程度でも、双眼鏡を覗けば「やっぱりカモシカだった」と確認できます。
展望のいい山でもあると楽しい
展望のいい山だからといって、双眼鏡があったほうがいいとまでは思いません。山並みを見るだけなら肉眼でも十分楽しめます。
ただ、双眼鏡があれば遠くの山や稜線、建物などを細かく見ることができます。
「あれは何だろう?」と思ったものをすぐ確認できるのが楽しいところ。
必須ではないけれど、持っていれば遊びがひとつ増える感覚です。
使っている双眼鏡は8×21 RC II WP
私が登山で使っているのは、8×21 RC II WPです。
重さは約215g。登山装備として考えてもかなり軽く、持っていること自体の負担はほとんど感じません。
8倍の倍率で困ったこともなく、21mmだから暗いと感じることも特にありません。
一方で、もう少し性能の高い双眼鏡が欲しいと思う場面もあります。
特に気になるのが、逆光時の見え方と視野の狭さです。
逆光では鳥がシルエットしか見えないことがあります。
また、肉眼で鳥を見つけてから双眼鏡に切り替えたとき、「……どこいった?」となることもしばしば。
視野が狭いため、覗いた瞬間に自分がどこを見ているのか分からなくなり、鳥を見失うことがあります。
探鳥用としては、もう少し見え方のよい双眼鏡が欲しいところ。
ただし、性能を上げれば大きさや重さも増えやすくなります。
山に持っていくことを考えると、215gという軽さはかなり魅力的。
探鳥用と登山用で、双眼鏡を分けることになりそうです。
双眼鏡を首から下げるだけだと邪魔
双眼鏡を山で使い始めて困ったのが、歩いているときのブラブラ問題でした。
普通に首から下げていると、歩くたびに双眼鏡が揺れて結構邪魔です。
最初は、双眼鏡を首から下げてからザックを背負い、チェストベルトを締めていました。これでもザックの上から双眼鏡を掛けるよりは動きにくくなります。
ただ、まだ少し気になるうえ、すぐに双眼鏡を取り出せないのが不便でした。
現在は、
- ザックを背負う
- その上から双眼鏡を首に掛ける
- 双眼鏡本体をチェストベルトの上に横向きに乗せる
という方法に落ち着いています。
双眼鏡をチェストベルトと平行になるように上から乗せると、本体が身体にかなり密着します。
さらに双眼鏡を折りたたんでおくと、より落ちにくくなります。
この状態なら急登や岩場でも意外と邪魔になりません。
鳥を見つけたときも、チェストベルトから外せばすぐに覗けます。
双眼鏡を使う頻度が高いなら、ザックの中にしまい込むよりずっと使いやすい方法でした。

ザックにしまうならトップリッドへ
歩行中に首から掛けない場合は、取り出しやすいようにザックのトップリッドに入れています。
双眼鏡を使うかどうか分からない日に、ザックの奥深くにしまってしまうと、結局取り出さなくなります。
鳥を見つけてからザックを下ろして荷物を掘り返している間に、当然鳥はいなくなります。すぐ取り出せる場所に入れておくのが重要です。
雨の日は持っていかない
使っている双眼鏡は防水ですが、雨の日には基本的に持っていきません。
濡れて壊れることよりも、水滴や結露で見づらくなることのほうが気になります。
雨の中では鳥を探すことも少なくなるため、出番もあまりありません。その日は荷物から外しています。
手袋をしていても使える
冬山などで手袋をした状態でも、操作には特に困っていません。
双眼鏡はカメラほど細かな操作をする必要がなく、基本的には覗いてピントを合わせるだけ。
山の中でも気軽に使えます。
カメラと双眼鏡は似ているようで違う
遠くの鳥や動物を見るなら、カメラでもいいのでは?と思うかもしれません。
実際、写真として記録を残せるという点ではカメラが圧倒的に便利です。
私も「これが撮れたらいいのにな」と思うことはあります。
ただ、双眼鏡には双眼鏡の良さがあります。
まず、小さくて軽い。
そして、多少ぶつけたりしても、カメラほど神経質にならずに扱えます。
何より、見ることに集中できます。
カメラの場合は、「ピントは合っているかな」「明るさは大丈夫かな」「もう少しきれいに撮れないかな」と、どうしても撮影のことを考えます。双眼鏡なら覗くだけ。
写真を残すことはできませんが、その場で見ることだけを楽しめます。
私にとっては、カメラは記録するための道具、双眼鏡は見るための道具という感覚です。
双眼鏡を持つ最大のデメリットは「時間」
双眼鏡自体は約215gなので、重さはほとんど気になりません。ザック内を圧迫するほど大きくもありません。
むしろ私が感じている最大のデメリットは、歩く時間が長くなることです。
鳥の声が聞こえる。
立ち止まる。
姿を探す。
見つける。
双眼鏡を覗く。
また別の鳥の声がする。
……全然進みません。
自然観察をしながら歩いていると、コースタイムが1.5〜2倍になることもあります。
双眼鏡を持っていることで「ちょっと見てみよう」が増えるため、時間に余裕のない登山では注意が必要です。
山頂到着や下山時刻を優先する日は、鳥探しに夢中になりすぎないようにしています。
双眼鏡があると「なんだろう?」の答えが分かる
双眼鏡を持つようになって一番変わったのは、山の中で立ち止まることが増えたことかもしれません。
遠くに動くものがいる。
鳥かな?双眼鏡で覗いてみる。
「あの鳥だった!」
遠くに何か点々としている。
花かな?覗いてみる。
「あの花が咲いていたんだ」
鹿やカモシカなら、肉眼でなんとなく分かったものを確信に変えられます。
鳥の場合は、「鳥がいる」から「何の鳥か」まで分かることがあります。
肉眼ではただの点だったものの正体が分かる。
これが双眼鏡を山に持っていく一番の面白さだと思っています。
まとめ|必需品ではないけれど、山の楽しみは増える
登山に双眼鏡は必須ではありません。なくても山には登れるし、景色も楽しめます。
ただ、鳥や動物、花などを見るのが好きなら、双眼鏡があることで山の楽しみ方はかなり増えます。
特に出番が多いと感じるのは、
- 霧ヶ峰や尾瀬ヶ原のような開けた草原・湿原
- 鳥を見つけやすい冬の山
- 沢沿い
など、鳥を期待できる場所です。一方で、夏の樹林帯では出番が少なく、雨の日は持っていきません。
現在使っている双眼鏡は約215gと軽いため、出番があるか分からない日でも「とりあえず持っていこう」と思えるのが大きなメリットです。
そして双眼鏡を持っていくときは、ぜひ時間に余裕を。
鳥を見つけ始めると、本当に先へ進まなくなります。


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