山小屋で眠れない。
普段は布団に入ればすぐに眠れるし、夜中に目が覚めることもほとんどありません。それなのに、山小屋ではなかなか寝付けず、やっと眠れたと思っても何度も目が覚める。
「もしかして30分くらいしか寝てないんじゃないか……?」
そんな感覚のまま朝を迎えることもありました。
登山で疲れているはずなのに、なぜか眠れない。翌日も長時間歩く縦走では、睡眠不足が行動に響くのも困りものです。
そこで、山小屋で少しでも快適に眠れるよう、耳栓・アイマスク・アロマ・エアマットなどを試してみました。
山小屋に泊まるたびに、ひとつずつ色々試した結果、特に効果を実感したのは耳栓でした。
今回は、実際に試して分かったことや、使ってみて気になった点をまとめます。
山小屋で眠れないのはなぜ?
私の場合、普段は寝付きがよく、中途覚醒もほとんどありません。
ところが山小屋では、身体は疲れているのに頭が冴えているような感覚があり、なかなか眠れません。
登山による興奮や疲労、慣れない寝床、周囲の物音など、原因はいろいろ考えられます。
特に山小屋では、他の宿泊者のいびきや話し声、寝返りの音などが聞こえてきます。
これまでは「疲れすぎて眠れないのかな」と思っていましたが、今回耳栓を使ってみて、私の場合は周囲の音が思った以上に睡眠を妨げていたのかもしれないと感じました。
耳栓|一番効果を感じた睡眠対策
今回試した中で、圧倒的に効果を感じたのが耳栓です。
今では、山小屋泊には欠かせない装備になりました。
耳栓を使わなかった理由は、朝起きられるか不安だったから
実は以前から耳栓は持っていました。
それでも山小屋で積極的に使わなかったのは、朝起きられなくなるのが怖かったからです。
私は普段から朝が弱く、目覚まし時計が鳴っていても、夢と現実の間をさまよっているようなことがあります。
山小屋では周囲に迷惑がかかるので、大きな音でアラームを鳴らすわけにもいきません。
朝になれば他の宿泊者が動き始めますし、山小屋によっては朝食の案内もあります。
耳栓をしていたら、そういった音を聞き逃して寝過ごしてしまうのではないか。
そんな不安から、少しでも周囲の音が聞こえる状態で寝ようとしていました。
ところが、実際に耳栓を使ってみると、心配していたようなことは起こりませんでした。
スマートウォッチの振動アラームで起きられますし、朝4時頃には自然に目が覚めることもありました。
耳栓はサイズと装着方法が重要だった
耳栓を使い始めた頃は、実はあまり効果を感じませんでした。
最初に買った耳栓が少し大きいように感じたため、一回り小さいサイズに変更していたのですが、どうやら十分に密閉できていなかったようです。
そこで、最初に買った少しきつく感じるサイズに戻し、耳にしっかりフィットするよう奥までねじ込むイメージで装着してみました。
すると、遮音効果がまったく違いました。
山小屋で気になっていた他の宿泊者のいびきが、ほとんど聞こえなくなったのです。
耳栓は、ただ耳に入れればいいというものではなく、自分の耳に合ったサイズで、正しく装着することが重要なのだと実感しました。
最初は自分の呼吸音や脈打つ音が気になった
耳栓を使い始めた頃は、周囲の音が静かになる一方で、自分の鼻息や脈打つ音が大きく聞こえることが気になりました。
耳を塞ぐことで身体内部の音が目立つ現象が関係しているのかもしれません。
最初はこの感覚が苦手でしたが、自宅で何度か耳栓をつけて練習しているうちに、ほとんど気にならなくなりました。
耳栓を買ってすぐ山小屋で使うより、事前に自宅でサイズや装着感を確かめておくのがおすすめです。
耳栓をしたら、いつの間にか眠っていた
耳栓を使って特に驚いたのは、眠りに落ちる感覚です。
耳栓をしたからといって、急に眠気がやってくるわけではありません。
ただ、周囲の音が聞こえなくなると、いつの間にか眠っているのです。
耳栓を使う前は、なかなか寝付けず、ようやく眠っても何度も目が覚め、ほとんど寝た気がしないまま朝を迎えていました。
それが耳栓ひとつで大きく変わりました。
下山後に宿泊したホテルでも、時計の秒針の音が気になったので耳栓をしてみたところ、音が聞こえなくなり、すぐに眠ることができました。
普段の自宅では耳栓がなくてもすぐ眠れるので、私の場合は慣れない場所での音が入眠を妨げる一因になっていたのかもしれません。
耳栓は眠気を生み出す道具ではありませんが、睡眠を邪魔する音を減らすという意味で、私には非常に効果的でした。
アイマスク|眠るための気持ちの切り替えに
次に試したのがアイマスクです。
山小屋では消灯後も非常灯などの明かりがあるため、遮光効果を期待して持っていきました。
ただ、実際に使ってみると、消灯後はアイマスクをしてもしなくても、明るさについてはあまり違いを感じませんでした。
それでも、アイマスクをつけることで「今から寝ますよ」という合図になったような気がします。
実際に寝付きが改善したかどうかまでは分かりませんが、眠るためのルーティンとしては悪くなさそうです。
耳栓と違って効果が劇的だったわけではありませんが、軽くてかさばらないので、今後も山小屋泊には持っていこうと思っています。
アロマ|香りで入眠を促す作戦は失敗?
寝る前にリラックスできるよう、アロマも試してみました。
コットンにアロマを数滴染み込ませ、ジップロックに入れて持参しました。
ところが、これが思わぬ結果に。
ジップロックに入れていたにもかかわらず、香りが外に漏れていたのです。
ザックを開けるたびに、ふわっとリラックスする香りが漂います。
山で休憩しているときも、山小屋で荷物を整理しているときも、寝る前も、ずっと同じ香り。
これでは「この香りがしたら寝る時間」という合図にはならなかったかもしれません。
そもそもアロマによる睡眠への効果には個人差があり、今回の方法では効果があったかどうか判断できませんでした。
次回試すなら、密閉性の高い小さな容器に入れ、寝る直前だけ香るように工夫したいと思います。
なお、山小屋は共同の宿泊施設です。香りが苦手な人もいるため、周囲に香りが広がらないよう注意が必要です。
エアマット|寝付くまでの苦痛と翌朝の身体の痛みを軽減
耳栓に次いで、効果を実感したのがエアマットです。
山小屋の布団は、小屋によって厚みや寝心地が大きく異なります。
以前泊まった白馬山荘では敷布団が薄く、翌朝には身体がバキバキになってしまいました。
眠れないこと自体もつらいのですが、硬い寝床で腰や背中が痛くなると、寝付くまで横になっている時間も苦痛です。
モンベルのエアマットを敷布団の上に敷いてみた
今回使用したのは、モンベルのエアマットです。
山小屋の敷布団の上に重ね、空気を少し抜いて柔らかめに調整して使用しました。
これがなかなか快適。
腰や背中の痛みが気にならなくなり、翌朝も身体がバキバキになることはありませんでした。
特に良かったのは、寝付くまでの時間が楽になったことです。
眠れないこと自体はすぐに解決できなくても、身体が痛くなければ横になって休んでいられます。
翌日も長時間歩く縦走では、朝起きたときに身体が痛くないことも大きなメリットだと感じました。
デメリットは収納スペースを取ること
ただし、エアマットには大きなデメリットがあります。
それは、荷物が増えることです。
今回の2泊3日の縦走では、33Lのザックにエアマットを入れて持っていきました。
その結果、ザックの中はかなりいっぱいに。
行動食やゴミ袋は外付けにし、行動着兼防寒着はザック本体とトップリッドの間に挟んで運ぶことになりました。
外付けした行動食やゴミ袋はそれほど重くないのですが、歩くたびに左右に揺れて、身体が引っ張られるような感覚が気になりました。
睡眠環境を快適にするためにマットを持っていったのに、歩行中の快適さが少し犠牲になってしまったわけです。
山小屋によってはマットがなくても大丈夫
一方、涸沢ヒュッテでは掛け布団が2枚あったため、1枚を敷布団の上に重ねて使用しました。
すると、それだけで翌朝の身体の痛みがなくなりました。
つまり、必ずしも毎回エアマットを持っていく必要はなさそうです。
今後は山小屋の寝具について事前に調べ、布団が薄そうな場合にマットの持参を検討しようと思っています。
もちろん、掛け布団を敷く側に回せるかは寝具の枚数や室温によって異なります。
マットは確かに快適ですが、ザックの容量や行程との兼ね合いも考えて判断したいところです。
寝間着|山小屋は意外と暖かい
寝るときの服装も見直しました。
山の上は寒いので、以前は防寒を重視していましたが、実際に泊まってみると、山小屋の中は意外と暖かいことが多いです。
今回、寝間着は薄手の上下にしてみました。
毛布をかければ十分暖かく、暑くて目が覚めることもありませんでした。
これまで山小屋で寒くて眠れなかった経験は、年末に泊まった尊仏山荘くらいです。
もちろん、山小屋の室温は季節や標高、暖房設備などによって大きく変わります。
寒さに対応できる防寒着は必要ですが、寝るときに最初から着込みすぎないことも大切なのかもしれません。
山小屋の睡眠対策、結局何を持っていく?
今回試した対策を、私の実感でまとめると次のようになりました。
| 対策 | 評価 | 感想 |
|---|---|---|
| 耳栓 | ◎ 必須 | 寝付きが大きく改善。最も効果を実感 |
| エアマット | ◎ 快適 | 身体の痛みを軽減。ただし荷物になる |
| アイマスク | ○ | 寝る時間への切り替えに役立ったかも |
| アロマ | △ | 持ち運び方に課題。効果は判断できず |
| 薄手の寝間着 | ○ | 暖かい小屋では快適だった |
この中からひとつだけ選ぶなら、迷わず耳栓です。
マットも非常に快適でしたが、収納スペースを取るため、毎回持っていくかは悩むところ。
今後は耳栓とアイマスクを基本装備にして、エアマットは小屋の寝具に応じて持参するつもりです。
まとめ|山小屋で眠れない人は、まず耳栓を試してみてほしい
これまで山小屋で眠れないのは、登山で疲れすぎているから、あるいは興奮しているからだと思っていました。
もちろん、それらも関係している可能性はあります。
でも、今回耳栓を使ってみて、私の場合は周囲の音が睡眠を妨げる大きな要因だったのかもしれないと気付きました。
朝起きられないことが怖くて耳栓を避けていたのに、実際に使ってみるとスマートウォッチの振動で起きられましたし、何より夜に眠れるようになりました。
最初はサイズが合わず効果を感じなかったり、自分の呼吸音が気になったりしましたが、自宅で何度か試して装着に慣れたことも良かったと思います。
もちろん、耳栓をすれば誰でも眠れるわけではありません。目覚ましや緊急時の呼びかけなど、必要な音に気付きにくくなる点にも注意が必要です。
それでも、私にとって耳栓は山小屋泊の快適さを大きく変えてくれた装備でした。
これからは耳栓とアイマスクを基本に、必要に応じてマットも追加しながら、少しでも快適な山小屋泊を楽しみたいと思います。
山小屋で持っていってよかったものは、こちらにまとめました。


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