夏山の魅力|高山植物と残雪、どこまでも続く稜線を歩く

夏山の魅力 山歩雑記

春は花、秋は紅葉、冬は澄んだ空気と雪景色。

どの季節の山にもそれぞれの魅力がありますが、私が一番好きなのは夏山です。

夏といえば、やはり標高の高い山。地上では厳しい暑さが続いていても、高山へ行けば涼しい風が吹き、街では見られない高山植物が咲き、目の前には別世界のような風景が広がります。

なかでも私が好きなのは、開けた稜線を歩く時間です。

夏山の一番の魅力は稜線歩き

樹林帯を抜けた先で、突然視界が開ける瞬間。

左右には深い谷や連なる山々が広がり、目の前にはこれから歩く稜線が続いています。足元には高山植物が咲き、斜面には残雪が残り、遠くには次のピークが見える。

どこまでもこの道を歩いていたいと思うような、あの時間こそが夏山の一番の魅力です。

山頂に立つ達成感ももちろん好きですが、記憶に残っている景色は、必ずしも山頂から見たものとは限りません。

唐松岳へ行ったとき、特に忘れられないのが丸山ケルンから見た景色です。山荘から見た唐松岳よりも、山頂から見渡した景色よりも、私は丸山ケルン付近から見た風景が好きでした。ただ、あまりにも景色が大きく、一枚の写真には収まりません。

それまで歩いてきた道の先で、岩峰と雪渓、深い谷を抱えた山々が一気に姿を現したとき、本当に別世界へ来たように感じました。

山頂へ着く前の、これからあの山の中へ入っていくのだという高揚感も含めて、今でも忘れられない景色です。

普段は見られない高山植物に会える

夏の高山では、短い季節を待っていた高山植物が一斉に花を咲かせます。

厳しい風や雪に耐え、雪解けとともに咲く小さな花々は、低地で見る植物とはまた違った魅力があります。チングルマやコマクサ、ハクサンイチゲなど、その山へ行かなければ会えない植物を探しながら歩くのも夏山の楽しみです。

花の時期は短く、雪解けの進み具合によって見頃も変わります。同じ山でも訪れる時期が少し違うだけで、咲いている花が変わるのも面白いところです。

険しい山の風景の中に、小さな花が咲いている姿を見ると、この環境でよく育ったなあと、つい足を止めてしまいます。

残雪は目にも体にも涼しい

夏山の風景を印象的にしてくれるものの一つが残雪です。

青空と緑の斜面、その中に白い雪が残っている景色は、見ているだけでも涼しさを感じます。

しかし、残雪は見た目が涼しいだけではありません。

雪渓の近くを歩くと、雪の上で冷やされた空気が流れてきて、ひんやりとした風を感じることがあります。日差しを浴びながら登ってきた体に、この冷たい風がとても気持ちいいのです。

夏なのに雪が残り、そのすぐ近くでは高山植物が咲いている。

地上とは季節まで違うような不思議な風景も、夏の高山ならではです。

夏の暑さ対策についてはこちらの記事にまとめました。

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山小屋に泊まるから見られる景色

夏山では、山小屋泊も大きな楽しみの一つです。

夕方には山肌や雲が赤く染まり、日が沈むと、街灯のない空に星が広がります。

そして早朝には、日の出前の青紫色の空が少しずつ明るくなり、山々が朝焼けに染まり始めます。最後に山の向こうから太陽が顔を出す瞬間は、何度見ても特別です。

夕日、星空、朝焼け、日の出。

山小屋に泊まると、同じ場所が時間とともにまったく違う表情を見せてくれます。

天気次第なので、すべて見られるとは限りません。ガスに包まれて何も見えないこともあります。

それでも、運よく晴れた日に見られる景色は、早起きしてでも、重い荷物を背負ってでも見に行きたいと思わせるものがあります。

こちらの記事で山小屋泊に持っていってよかったものを紹介しています。

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真夏でも防寒着は必要

夏山は涼しいのが魅力ですが、涼しいを通り越して寒くなることもあります。

登っている間は汗をかいていても、稜線で風を受けたり、山小屋に着いて動かなくなったりすると、一気に体が冷えます。

夕日や星空、日の出を見るために外でじっとしている時間は、さらに寒く感じます。

私は冬の低山でも保険としてダウンを持つことがありますが、確実に活躍する機会が多いのは夏の山小屋泊です。

地上では猛暑なのに、ザックの中にはダウンが入っている。

この季節感の逆転も、夏山らしいところかもしれません。

汗で濡れた服は風に当たると冷えやすいため、汗冷え対策も重要です。私はドライインナーを使い、汗をかいたあとも肌が冷えにくいようにしています。

ドライインナーについてはこちらで詳しくまとめました。

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また、高山では紫外線も強くなるため、日焼け止めや帽子、サングラスも欠かせません。

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夏の人気の高山は混雑しやすい

夏は低山では暑さが厳しくなるため、登山者が標高の高い山へ集中します。

さらに、高山の一般登山道を比較的歩きやすい時期は短く、夏休みや連休、お盆、高山植物の見頃も重なります。

そのため、人気の山では駐車場やバス、ロープウェイ、登山道、山小屋まで混雑します。

特に山小屋の予約は大変です。

予約開始時刻にサイトへアクセスしてもサーバーにつながらず、電話をかけても何度も話し中。ようやくつながったころには、土曜日がすべて満室になっていることもあります。

夏山は最高です。

しかし、最高だからこそ、行きたい人も多いのです。

人気の山へ行く場合は、山小屋の予約開始日や交通機関の時刻、駐車場の混雑状況を早めに確認しておく必要があります。

夏山は早朝行動が基本

夏山は日が長く、長いコースを歩きやすい季節です。

一方で、午後は天候が崩れやすく、雷や急な雨に注意が必要です。朝は晴れていても、昼には雲が発達することがあります。

また、高山は涼しいとはいっても、登り始めの樹林帯や日差しの強い場所では暑くなります。

早朝に出発すれば、比較的涼しい時間に歩けるうえ、午後の天候悪化を避けやすくなります。

夏山を安全に楽しむためには、早出早着を意識し、天気予報と現地の空の変化を確認しながら歩くことが大切です。

登山を何時から始めるかはコチラで詳しく書いています。

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夏山でしか出会えない景色を見に行く

涼しい風、高山植物、残雪、夕日、星空、朝焼け、そしてどこまでも続く稜線。

夏の高山には、地上では見られない景色が広がっています。

山頂に立つことだけではなく、稜線を歩く時間や、突然目の前に景色が開けた瞬間、雪渓から流れてくる冷たい風まで、すべてが夏山の思い出になります。

暑い地上を離れ、別世界のような風景の中を歩く。

やはり私は、夏山が一番好きです。

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