登山を始めてから、前泊で車中泊をすることがありました。
使っている車はタント。身長158cmの私なら、工夫すればなんとか足を伸ばして寝られます。
車中泊は今でも好きです。むしろ、できることならまたやりたい。
でも最近、登山前泊となると車中泊ではなく、トレイルインの空室を探していることが増えました。
車中泊が嫌になったわけではありません。
車中泊は楽しい。でも、登山前日はちゃんと寝たい。
結局ここに行き着きました。
軽自動車の中に作った小さな秘密基地
タントはフルフラットにもできます。
ただ、実際にフルフラットにすると意外と凹凸があり、それを埋めて寝床を作るのが大変でした。
そこで私は後部座席だけを倒しています。
後部座席だけ倒したほうが凹凸が少なかったので、その上に、
- 100均で買ったブロック
- ニトリのすのこ
- 100均の滑り止めシート
- ホームセンターで買った銀マット
- もう一度滑り止めシート
- かわいいラグ
を重ねて寝床を作りました。
これで段差や凹凸、車内側の傾きはほぼ解消。
そのスペースに斜めに寝ると、身長158cmの私でちょうどぴったりです。
窓の目隠しも自作しました。
材料はホームセンターで買った銀マット。
市のゴミ袋を霧吹きで窓に貼り付け、マジックで窓の形を縁取ります。それを型紙代わりにして銀マットをカット。
「ちょっと大きいかな」
と思ってさらに切った結果、今度はちょっと小さくなったものもあります。
完成度はそれなりですが、まあいいでしょう。
窓を全部塞いで、かわいいランタンをつける。
ポータブル電源を積み込んで、お湯を沸かしてほっと一息。
軽自動車の中にできた、私だけの小さなもうひとつの部屋。
車中泊の一番好きなところは、この秘密基地みたいな非日常感です。
登山前泊としては「駐車場争奪戦に参加しなくていい」のが強い
車中泊には、登山前泊との相性がとてもいい部分もあります。
それが、朝の駐車場争奪戦に参加しなくていいこと。
例えば花の時期の平標山。
平日でも朝5時ごろには続々と車が入ってきていました。
自宅から朝5時着を目指そうとすると、深夜2時前には出発しないといけません。
それなら前日のうちに登山口まで行って、そのまま寝てしまったほうが圧倒的に楽です。
月山でも車中泊をしました。
自宅から遠い場所なので前泊できるだけでも助かりましたし、この日は天気も悪かったので、朝早く登り始めてロープウェイの始発に近い時間帯には下山できました。
時間を自由に使えるのは、車中泊の大きなメリットです。
※登山口によっては夜間駐車や車中泊を禁止・制限している場合があります。事前に各駐車場のルールを確認する必要があります。
でも、車中泊は思った以上に寝られない
そんな楽しい車中泊ですが、最大の問題がありました。
あまり寝られません。
まず温度管理が難しい。
登山口で泊まることが多いので、真夏でも夜中まで猛烈に暑かった経験はあまりありません。
それでも暗くなるまでは車内に暑さが残っていたり、反対に明け方になると急激に冷え込んだりします。
9月下旬のおんたけロープウェイ駐車場で泊まったときは寒くて何度も目が覚めました。
「ああ、羽毛布団持ってくればよかった……」と思いながら夜を過ごした記憶があります。
そして軽自動車なので、当然ながら寝床は広くありません。158cmの私が斜めになってぴったり。寝返りも自由自在とはいきません。
一番の敵は「地面の微妙な傾き」
私が車中泊で一番困ったのは、狭さでも寒さでもなく、駐車場の傾斜でした。
寝床そのものは、すのこやブロックを使ってほぼ平らにできます。
でも、車を停めている地面までは自分ではどうしようもありません。
平標山で車中泊したとき、見た目では平らそうな場所に停めたつもりでした。
ところが横になってみると、なんとなく身体が傾いている。
「ここが斜めなら、もう他の場所も全部斜めなのでは?」
と思って移動するのも面倒になり、そのまま寝ることにしました。
結果、ほとんど寝られませんでした。
車を停めているときには気にならない程度の傾斜でも、何時間も横になるとなぜかものすごく気になります。
次に車を買い替えるなら、もっと車中泊しやすい普通車もいいな、と思うことがあります。
でも車が大きくなっても、地面が斜め問題は解決しない。
これが悩ましいところです。
トイレがない登山口では最初から車中泊しない
もう一つ、私が車中泊するうえで必須だったのがトイレです。
私は基本的に、トイレがある登山口でしか車中泊しませんでした。
トイレがない登山口なら、その時点で車中泊は候補から外します。
そういう場合は近くのRVパークを探すこともあります。
暑すぎず、寒すぎず、トイレがあって、できれば地面も平ら。
こうして条件を並べてみると、意外と車中泊できる日は限られます。
そしてトレイルインに落ち着いた
そんなこんなで最近、登山前泊ではトレイルインを使うことが増えました。
これまで利用したことがあるのは、
- 日光今市
- 那須大田原
- 藤岡高崎
- 前橋駒形
の4店舗です。
那須大田原以外は複数回利用しています。
トレイルインで一番ありがたいのは何か。いろいろありますが、車中泊経験後の私にとっては、
床が水平。
もうこれだけでかなりありがたいです。
昔はホテルを選ぶとき、「できれば新しくて綺麗なところがいいな」と思っていました。
今は車中泊を経験したことで、ホテルに求める条件がかなり下がりました。
水平な場所で寝られればそれでいい。
とはいえ、トレイルインは比較的新しく清潔感のある施設が多く、その条件まで自然と満たしてくれています。
登山前泊でトレイルインを使いやすい理由
私が利用した店舗で共通して便利だと感じたのは、
- チェックイン・チェックアウトが無人
- 駐車場が広い
- コンビニが近い
- 街中すぎず、車移動で登山へ向かうのにちょうどいい立地
という点です。
部屋がそれぞれ独立しているので、一般的なホテルのように壁越しの隣室の音が気になることも少なく感じます。
料金は店舗や時期によりますが、私が利用した際は1泊4,800〜6,800円ほど。
登山前泊で寝るだけと考えると、かなり助かる価格帯です。
私はだいたい登山予定日の1〜2週間前から予約しておき、キャンセル料がかかる前に天気予報を見て最終判断することが多いです。
トレーラーハウスという仕組みも好き
あと、トレーラーハウス型という仕組みそのものも好きです。
災害の多い日本では、必要な場所へ移設できる宿泊施設があるというのは心強い。
普段は普通のホテルとして使えて、非常時にも活用の余地がある。こういう無駄のなさも、トレイルインを気に入っている理由のひとつです。
トレイルインにも気になるところはある
もちろん、全部が完璧というわけではありません。
店舗にもよりますが、ユニットバスがかなりコンパクトなことがあります。
ただ、私は前泊前に日帰り温泉などでお風呂を済ませてしまうことも多いので、そこまで困ってはいません。
もう一つ気になるのが、場所によっては道路を大型車が通ったタイミングで、部屋がわずかに揺れたように感じることがあること。
ベッドで寝ていて「震度1くらいの地震きた?」と思ったことが何度かあります。
実際に大型車の通行が原因なのかは分かりませんが、多少気になる人もいるかもしれません。
車中泊は今でも好き。でも登山前日はホテルを選んでしまう
車中泊そのものは、今でも好きです。あの秘密基地感はホテルにはありません。
自分で作った目隠しを窓にはめて、ランタンを灯して、お湯を沸かして。
「今日はここが私の部屋」
と思いながら過ごす時間はやっぱり楽しい。
ただ、車中泊をする機会といえば、私の場合はほぼ登山前日です。
そして登山前日に一番必要なのは、ちゃんと寝ること。
車中泊したい。
でも翌朝はしっかり歩きたい。
そう考えた結果、今日も私はトレイルインの空室を探しています。
次に車を買い替えるなら、もっと車中泊しやすい車がいいな、と今でも思っています。
そしてたぶん、寝やすい車を買ったとしても。
登山前日になったらまた、「トレイルイン空いてないかな」と検索している気がします。


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